WEBマーケティングとか優しさとか 木村圭宏 

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田舎ならではの遺品の整理

田舎ならではの遺品の整理

昨年、祖母の妹にあたる大叔母が心臓発作で急逝しました。
本当に元気な大叔母で、まさか本人もこんなに急に逝くとは思っていなかった事でしょう。物持ちだった大叔母の家は沢山の洋服や靴、それらをしまう大型家具でいっぱいでした。
この家を相続したのは大叔母の娘にあたる私の母の従妹でしたが、従妹は県外に住んでおり仕事もしている為、遺品整理のために何日も滞在することは出来ない、という事でした。そういった事情から、大叔母の姉で近くに住み生前も何かと一緒になって出掛けたり畑仕事をしたりしていた私の祖母に、その整理の話が回ってきたのです。従妹曰く『おばちゃんの欲しい物を形見分けとして持って行ってね。それから他の物に関しても、ご近所さんで欲しい方がいらしたら差し上げて下さい』との事で、その日から祖母の奮闘が始まりました。
祖母はまず、いくつか妹の形見にあたる物を分けて貰ったようです。それから近所の、大叔母と仲の良かった人たちにも声を掛け始めました。山に囲まれた田舎の話ですから、遺品整理、といった意識もなく、みなさんでいくつか持って帰って貰ったようです。なかには靴箱を持って帰った人もいたようですが、そうはいってもとにかく物の多い大叔母の家でしたから、まだまだたくさんの大型家具が残ってしまいました。
そのことを従妹に報告すると、彼女は『残りは遺品整理会社に家財処分をお願いします』との事で、すぐに手配をしたそうです。従妹にとってみれば、早くに父はなくなり、元気だと思っていた母が急に亡くなった今、もう実家に帰る事はないと思ったのでしょう。家を売却する事にしてその準備もしていました。その為、遺品整理会社に頼まないと悲しみのあまり家の片付けが追い付かない、というのも頼んだ理由だったそうです。
この話を聞いて、まだまだ若い年齢の自分ですが、もしもの時には私も遺品整理会社に頼んで欲しいと思いました。今はやりのエンディングノートを作る時には、私の形見分けを行いたい人と物を記し、残りは遺品処分にしてほしいと思います。その方が、あとに残した子供たちにも迷惑を掛けずに済むと思うからです。かといって、自分の親の遺品を会社に頼むかどうかは分かりません。親の希望に沿って送ってあげたいと思うからです。
ただ願う事は、遺品の整理という悲しみの先にある大仕事を引き受けてくれる会社、そこに勤める人には人間的な情のある人がいるといいなぁ、と思います。